【動物マメ知識編】馬同士のコミュニケーションはどのように取られているのか
こんばんは、来音です。
馬と人間とのコミュニケーションの取り方については多くの情報がありますが、馬同士のコミュニケーション方法についてはあまり見かけません。
馬同士はどのように意思疎通を取っているのか。気にならないわけないですよね?それを知ることで、より馬と仲良くなれると思うのです!
そこで今回は、「馬同士」のコミュニケーションの取り方について詳しく述べていきます。
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馬同士もやはりお互いの耳を見てコミュニケーションを取っているのか
2014年のナショナルジオグラフィック日本版にこのような記事がある。
最新の研究報告によると、ウマは大きくてよく動く耳を使って仲間の注意を一定方向へ向かせることができ、食料のありかを教えたり、敵の居場所を知らせているのではないかという。
人間でいう身振り手振りのような感じだろうか。相手の耳が後ろを向いて緊張していれば、相手の機嫌が悪いということを理解しているということなのか。それにしても、耳の向いている方向で相手に食料のありかなどを知らせるというのはとても驚くべきことだ。
この時に行われた研究の結果からも、確実ではないが馬は他の馬の耳を見て行動している可能性が挙げられた。
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放牧状況から見える馬同士の挨拶
ここからは、実際に私が見て感じたことである。一度に20から30頭近くの馬を放牧している様子を何度か見たことがある。彼らは普段は乗馬クラブで働いている馬たちだ。
1頭で餌を夢中で食べている馬もいれば、2頭でぴったりとくっついている馬たちもいる。はたまた1頭のメスをしつこく追いかけまわしているオスもいた。
彼らを観察するのは非常におもしろい。個々の動きにストーリーが読み取れるからだ。普段は人間相手に飼いならされている馬でも馬同士の世界に行くと自ら考え、行動しているのが何とも興味深い。生き生きとしている様子が美しい。
馬同士のファーストコンタクトはいかなるものかは観察しているとすぐに分かった。まずは平行な立ち位置でお互いの顔が届く範囲に近づく。そして、どちらからともなく鼻先を相手の鼻先に近寄らせる。そしてぴとっと鼻先を合わせ、少しするとまたお互いに首を他所へ向ける。
どうもこれが彼ら流の挨拶みたいなのだ。この行為を見ると人間と馬の挨拶で、人間がまずは馬の鼻元へ手を近づける理由も簡単に理解できる。
この時、どちらかの馬が怒り相手を蹴散らすようなこともある。しかし、穏やかに鼻と鼻で挨拶する姿はとても愛らしいものだ。
次に、グルーミングを始めることもある。お互いに反対方向に顔を向けて平行に立ち(一方の頭の方にお尻、もう一方のお尻の方に頭という立ち位置で)、互いの首から背中辺りを舐めあう。
犬同士や猫同士の舐め合いと同じ感情、すなわち愛情からなのかどうかは定かではないが、彼らもお互いにグルーミングをするようだ。仔馬を母馬が舐めるという行為もあることを考えるとやはり愛情や親しみからくるものなのだろうか。彼らの表情からはやはり穏やかさを感じる。
一方で、気に入らない相手が近づいてきた場合噛みついたり蹴り飛ばしたりすることも多々ある。嘶きながら相手を蹴り飛ばすのは遠目で見ていてもなかなか迫力のあるものだ。そのせいで、怪我をする馬もでてくるので放牧には注意が必要である。実際に蹴られて鼻から出血したり目の上を切ったりする馬も少なからずいた。
何より興味深かったのは、彼らの恋愛感情のようなものを見た時である。1頭のメスを1頭のオスが追い回すというのは別に珍しいことではない。
しかし、特定のメスを守るかのように1頭のオスが彼女の周りにぴったりとくっつき、他に近づいてくるオスとそのメスの間に割り込んで入る。そして、「彼女に近づくな」と言うかのように後ろ足で蹴り飛ばすオスがいたのだ。
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そのオスは放牧が終わるまで何度も何度も誰に対してもその行為を繰り返した。まさに執念である。自分は彼女のナイトだと言いたげな行動に、目を丸くすると共に感心した。メスは別に気にする素振りも見せていなかったが、2頭で仲良く草を食べている様子からどうやらそのオスが付きまとうのは嫌ではないらしかった。
まとめ
このように、馬同士のコミュニケーションに関してはまだまだ明確ではないこともたくさんある。人間と馬は共通する言葉を持たないため、彼らが普段何を考えどう思っているのかを直接的に知ることは困難である。しかし、私たち人間の世界同様彼らにも彼らのコミュニティーや社会があり、それはまぎれもなく成り立っているのだ。
実験や研究だけでなく、ただ行動を観察するだけでも見えてくるものは少なくない。1頭の馬が何かアクションを起こして他の馬が反応を示したときに、「今のはどういう意味だったんだろう?他の馬同士でも同じアクションで同じ反応が起きるのか」などと想像しながら観察するのも面白いものである。
徐々に理解していく中で、馬という生き物をしっかり見つめ、私たち自身も馬同士のコミュニケーションに似たものを取り入れつつ馬と接していければ、もっと仲良くなれるのではないだろうか。
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— 来音ーRaineー (@raine0202) 2020年4月29日
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