【馬ケア初心者向け】命に関わる!?馬がかかりやすい病気 part 1
こんばんは、来音です。
馬の世話をしていると、やはり体調管理にはとても気を遣います。ペットも同様ですが、ちょっとした変化に気が付き、手遅れになる前に助けてあげたい。そう思うのです。
あれ?なんだか関節が腫れている気がする
今日は食欲がないなぁ
目の上に傷がある
トイレの量が少ない気がする
日々の観察がとても大切になります。さて、今回は私の勉強の意味も込めて「馬のかかりやすい病気」について調査していきます。と言いますのも、私自身はアメリカの大学で学んできたので、日本語で調べ直していきたいと思います。
さまざまな病気がありますが、今回は日本でもよく見られる病を中心に紹介します。
病気の種類
病気と一言にいっても主に2種類に分類される。
1. Non-infectious disease (非伝染性疾患)
2. Infectious disease(伝染性疾患)
非伝染性疾患には、怪我、遺伝性異常、毒性物質の摂取、栄養不足による体調不良などが含まれる。つまり、他の動物にうつらない疾患のことである。
一方、伝染性疾患は、細菌やウイルスなどによって引き起こされる疾患を指す。その中でも特に伝染性の強い病気を英語ではcontagious diseaseと呼ぶ。日本語では「感染症」や「伝染病」と一括りにされているようである。
では早速具体的に見ていこう。
疝痛ーcolicー
疝痛は簡単に言えば腹痛のことである。消化器官(胃腸など)に原因があり、起こる痛みを表す。なんだ、ただの腹痛のことかと侮ってはいけない。馬にとっての疝痛は場合によっては命を脅かしかねないのだ。
馬の疝痛になりやすいのにはいくつか理由がある。
1. 馬はその消化器官の構造上嘔吐することができない
2. 体の大きさに比べて胃が小さい
3. 腸の太さの関係で内容物が停滞しやすい
なかでも1番について詳しく説明しよう。
馬の食道括約筋が他の動物に比べてとても強い力を持つ。そのため、胃から逆流してくる内容物によって弁を反対側から開くことが難しいのだ。
また、馬の食道と胃は他の動物のそれと比べると低角度にくっついている。だから、胃の中でガスが発生して胃が膨らんだ時に弁がさらにきつく閉まってしまい、吐き出すことができない。「風気疝」の原因にもなりやすい。※錯癖のある馬がよくなる種類の疝痛だ。
※錯癖:別名「グイッポ」と呼ばれていて、飼い桶などを噛みながら空気を飲み込む癖のこと。
疝痛には軽度のものから、命に関わる重症のものまである。手遅れになるとこの疝痛で命を落とすことも珍しくない。そのためにも早期発見が大変重要となる。
症状
- 元気がない
- ご飯を食べない
- ご飯が目の前にあるのに前掻きをやめない
- 運動していないのに汗をかいている
- 後ろ足でお腹辺りを蹴るしぐさをする
- 排尿姿勢を取り続ける
その中でも、転倒を繰り返したり、明らかに苦しそうにしていたら「変位疝」といって消化管の一部がねじれてしまっている重症の場合が多い。ねじれて自然には元に戻らなくなっている場合、腸が壊死している可能性があるため、手術をしなくてはならない。
治療
獣医師ではなく、一般の人々ができる治療法の話だ。軽度の疝痛ならまずは食生活を見直すことが大切だ。疝痛を起こした日は、食事を与えずに様子を見る。水をしっかり取っているのか確認する。バナミンなどの静脈注射を投与する。これらのことで応急手当はできるだろう。完全に良くなるまでは、経過観察を怠らないようにする。
予防
一番は「食事管理」をしっかりすることである。いつでも綺麗な水が飲むことができる環境を作る。そして、餌の種類を急に変更しないこと。また、穀物を一度にたくさん与えないこと。一日数回に分けて与えなくてはいけない。胃が小さいので、少しずつ食べさせてあげるようにしよう。
糞の観察も大切な予防の一つとなる。糞がコロコロで硬くなっていると、疝痛の前兆とも言える。早くに手を打ってあげよう。
蕁麻疹ーurticaria, hivesー
こちらも何かとよく見られる症状である。原因になることがいくつかある。
- 中毒症状
- 摩擦によるもの
- 温度差によるもの
- アレルギーによるもの
- 伝染病によるもの
発熱があるか、ぐったりとしていないかなどを確認する。もし発熱があり元気もないような場合は、獣医師に相談する方がよい。何が原因で蕁麻疹が起こっているのかは特定しづらいようだ。
稀ではあるが、重症の場合は鼻腔が腫れて呼吸困難になることもある。中毒からなる蕁麻疹は餌の中に原因となる物質が混入して起こっていることがあるので、いつも清潔な餌を与えるようにしなくてはいけない。
フレグモーネ
別名を「蜂窩織炎」という。皮下組織で化膿を起こす急性炎症である。よく四肢に見られる。炎症を起こす最近は外から侵入する。体内に炎症が起きることから、体の免疫はそれと闘おうとするため発熱する。進行が早いので、あっという間に腫れあがることもあるようだ。
もし四肢に傷がある場合は放置せずにすぐに手当てするようにしなくてはならない。腫れているところがある時には患部、体温ともに熱がないかチェックする。
ひどくなると、皮膚を破って膿が出てきて後遺症が残ることもある。また、激しい痛みから第二次的な炎症を引き起こしたり、最悪の場合敗血症になったりする。
日頃から馬体チェックを入念にしなくてはならない。
今回紹介した3つの病気はすべて非伝染性疾患である。うつるものではないが、馬の命に関わる危険性のある疾患だ。何度も述べるように早期発見してあげることが一番重要となる。
まとめ
少しマニアックな内容で難しくなってしまったかもしれない。しかし、少しずつでも専門的な知識を頭に入れていくことで救える命や手助けできることも増えるのではないかと考える。
次回は、感染症を中心にリサーチしていこうと思う。その中で現在日本で使われている予防注射も関連付けて調べていく。
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— 来音ーRaineー (@raine0202) 2020年4月27日
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